MCでは「ROTTENGRAFFTYとオーバーエイジ枠でこの場所をようやく勝ち取ってます(笑)」(茂木、以下同)とユーモアを交えて言ってのけ、「らしくあれと」を切々と届けていく。続いて、「人間は忘れます。忘れるから生きていける。でも、忘れられないくらい強烈な思い出を作ることができないかなと、今日も俺はステージに立ってます。音楽という平和な武器を使って、皆さんと一緒に1ミリでもいいから何かを分かち合って……トラウマになるぐらい最高な思い出、KBSホールで作って帰ってください!」と、8月15日=終戦の日を前に決して当たり前ではない平和を思い、「ダディ・ダーリン」を歌い上げる。
楽曲でもMCでもとにかく心にブッ刺さるメッセージの連続で、「20代ではかなく散るのがバンドだと思ってた。ところが俺はもうすぐ50歳。まだやれてる。まだ行こうとしてる。どんなにみっともなくても、必ずまた会いに来ます。ありがとうHakubi!」と、「GOOD OLD SHINY DAYS」でも絶えず絶景を生み出し続けたG-FREAK FACTORY。Hakubiに「10-FEET、ROTTENGRAFFTYをとっとと超えろ!」と熱いエールを送った、いまだ前進する群馬の雄の誇り高き伝説は、まだまだ終わりそうにない。
一方、左近ステージでは、滋賀発のソロアーティストHyugaが、「この景色を日本中のフェスで当たり前にしていくので」と宣言し、「舞台は晴れ」「慕詩手帳」と切なる思いを刻み付けたフロウを放射。いかんともしがたい感情に打ちひしがれながらも、このままでは終われないと未来に手を伸ばすように、そのうそ偽りのないエモーションが問答無用に訴えかけてくる。親友のために書いたというウエディングソング「愛来る」にすら、彼の生きざまがにじみ出る。
「どんな思いでここまでたどり着いてくれたか計り知れないけど、出会ったことには必ず意味があると思うんです。どんなに時間がかかったとしても、それに気付くためにこれからも歌っていこうと思います」と誓った「26」や「蒼く燃える」しかり、彼にとってのMCはもはや詞であり願いである。シームレスなトラックに紡いだHyugaの人生劇場、ラストはその名も「セカンドステージ」。一人の表現者の紛れもない再生の地点がそこにはあった。
ROTTENGRAFFTY(Photo by 翼) 画像 7/9
全くの助走なしでこの日のピークに瞬時に到達したさすがのROTTENGRAFFTYは、「秋桜」「D.A.N.C.E.」の2連発からエグいぐらいの盛り上がり! 右近ステージを熱狂の渦に巻き込み、トップスピードで天井知らずの熱気を引き上げていく。分かっちゃいたが、Hakubiはとんでもないラウドモンスターを自らの出番の前に据えてしまった……そんな敗北感に襲われそうな「ハレルヤ」の破壊力たるや壮絶極まりない。「ハッキリ言ってHakubiのイベント、もっともっとテンションが高いと思ってました。京都のロットンが来てんねんぞ。お前らのホンマの顔を見せてくれ!」(NOBUYA・Vo)とオーディエンスのアドレナリンを一滴残らず絞り出し、「THIS WORLD」に突入。KBSホールがぶっ壊れそうな音圧でモノの違いを見せつける、ROTTENGRAFFTY最狂にして最強!
「Hakubiは『ポルノ超特急』もとい『響都超特急』、ツアーにも出てくれて、やっと恩を返せました。『京都藝劇』、死ぬまでやり続けてください。でもな、京都は難攻不落。テッペン獲るにはまだまだまだまだ……!」(N∀OKI)
