2023.04.17 公開
【ライブレポート】FAIRY FOREが18年ぶりに1日限定復活

FAIRY FORE(※提供写真)  画像 1/4


冗談を交えつつ、「お久しぶりです」と軽くMCを挟むと、続いて「IDOLL」。YASUが全力でぶつかってくるようなプレイを見せる後ろで、YOKOはクールにプレイに集中。ファンの反応を確かめるように、フロアへ目をやっていた現王園から笑顔がこぼれた。「VIVID」では、勢いよく転がっていくようなテンポに合わせ、ファンも一緒に元気いっぱい声を上げる。エネルギッシュなステージはブランクを感じさせない。

「全開でやってます」というYASUの言葉と、冗談混じりにチラッと見せる疲労具合どおり、この6曲に全力を注ごうとしているのが見て取れる。それも、「楽しみたいし、楽しませたい」という現王園の心からの願いゆえだ。ことさらドラマチックに復活を盛り上げるのではなく、ただFAIRY FOREの音楽を愛し続けてくれているファンにもう一度その音楽を届ける、今日に賭けるそんなシンプルな思いが伝わってきた。

【ライブレポート】FAIRY FOREが18年ぶりに1日限定復活FAIRY FORE(※提供写真)  画像 4/4

「SEXUAL EXCITEMENT」から、いよいよ熱気は高まり、さらなる盛り上がりへ。YOKOは激しくパワフルなプレイで気迫を見せ、YASUはすべてを出し尽くす。曲が終わったところで、お互いに軽口を叩いていじり合い、笑い合い、この瞬間を噛み締める。でも、そんな時間もあと少し。最後に届けられたのは、デビュー曲である「LOVE SICK」だ。一曲目からFAIRY FOREというバンドの豊かな才能に改めて目を見張り、ここまで素直に楽しんできたが、ファンの合唱を耳にすると思わずぐっと胸が熱くなった。

何度も何度もファンへの感謝を口にし、互いに笑顔を交わし、じゃれ合ってはしゃぐ3人。ただ潔くまっすぐに、自分たちの音楽を奏で、現在の自分たちにできることを全うした姿は晴れ晴れとしていた。実はこのライヴは、たまたま現王園が思い立ってHUSHの橋都章人にかけた一本の電話が、きっかけになったのだという。そんな偶然によって生まれた奇跡の夜だったからこそ、ファンとともに自分たちの音楽をひたすら楽しむ、かけがえのない時間となったのだろう。そのときを共にできたことに心から感謝したい。

最後に一言付け足すとするならば、「何かが、始まる…」?

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