2019年2月11日、 風男塾にとっての聖地である中野サンプラザにて、 風男塾に9年間在籍した中心的メンバー、 瀬斗光黄の卒業公演が開催された。
加入してからたった4か月で中野サンプラザの地に立つこととなった光黄の初々しい映像から始まり、 メンバー5人が登場、 『最高シャウト!』のイントロが流れると同時に、 会場は光黄のメンバーカラーである黄色で埋め尽くされる。 その光景を嬉しそうに、 大きな瞳で見つめながら楽しそうに歌う光黄の表情が伝染するように、 会場も、 次第に笑顔で溢れてくる。 今回の卒業公演のタイトルは『SMILE』。 卒業発表時から、 ことあるごとに光黄が口にしていた、 「笑顔で卒業したい」という言葉通り、 会場には嬉しそうに、 楽しそうにその時間を過ごしているファンの姿があった。
その後も、 “腐男塾”時代の名曲「哀戦歌」や、 天井からマンガが降りてくる古くからのファンにはおなじみの懐かしい演出が施された「ヲタキスト」、 会場中を駆け回り、 “ガオガオシ-ル”を張りまくる「草食ライオン」など、 彼らがモットーとして挙げてきた“人を元気にする曲”たちを続々と披露。 光黄の軌跡をたどるように、 アルバム「音鼓」「POWER OF WIND」のメドレーや、 今の5人で作り上げた楽曲を「歌うたびにこれが最後だと思うと…」と言葉を詰まらせながら歌い、 メンバー4人それぞれと肩を抱き、 目を合わせながら歌う姿がとても印象的だった。
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『アニソングランプリ』 出身というだけあって、 風男塾の中ではずば抜けた歌唱力を持っていた光黄。 風男塾の唯一のソロ曲となる『紙ヒコーキ』を歌い上げたとき、 会場中からすすり泣く声が聞こえてくる。 畳みかけるように、 これまでのメンバーの卒業ソングとしてリリースされた「友だちと呼べる君へ」「証-soul mate-」と連続で演奏され、 喪失感に襲われていると、 すかさず“何があっても生きる”というメッセージを込めた「同じ時代に生まれた若者たち」を持ってくる選曲はさすが。 彼らはいつも、 どんなことがあっても、 泥臭くても、 まっすぐに、 好きなものを大事に、 前に進もうと教えてくれる。 そして本編では、 地方からアイドルとしての成功を目指して集まってきた彼らたちがくじけそうになった時のエールソングとして聴いていたという「下を向いて帰ろう」をファンとともに熱唱し、 幕を閉じた。
どんな場面でもあまり涙を見せてこなかった光黄が、 この日は何度も何度も涙を流していた。 なかでも、 アンコールでこの2年、 Wセンターとして切磋琢磨してきた愛刃建水とのユニットW♠PRINCEで、 健水が光黄の手をグッと握った瞬間、 予定になかったこの行動に、 少し驚きながらも支え合うような形で笑顔を交わしたとき、 プロデューサーであるはなわ氏から、 愛に溢れた手紙を読まれたとき、 そして、 各メンバーみんなから手紙をもらったときは、 文字通り、 止まらない涙で頬が光り輝いていた。
でも、 ただ悲しく終わるのではなく、 最後の最後で新メンバーである香月大弥(かつきだいや)、 桜司爽太郎(おうじそうたろう)の2人を紹介。 すでに『ツバメ』のMVのラストでカメラ出演をしている彼らとともに、 新体制となった6人の風男塾は、 新曲『Dash & Daaash!!』を披露し、 2019年4月から放送予定のTVアニメ「群青のマグメル」のオープニングテーマに決定したことを発表した。 これこそ、 新たな時代の幕開けを感じさせる、 “始まりにワクワク”するような楽曲を聴かせ、 これからも、 風男塾が終わらないこと、 さらに加速していくことを体感させてくれた。
